ロックというジャンルはとても幅が広く、ハードロック、サイケデリックロック、ファンクロック、オルタナティブロックなどなど・・・・
たくさんあって数えきれないですね。
そんなロックというジャンルは、どのように発展していったのでしょうか。
その鍵を握るのがエルヴィス・プレスリーを代表するロックンロールの存在です。
ロックという大きなジャンルに大きな影響を与えた音楽がロックンロールなのです。
この記事ではロックンロールの起源に迫ってみたいと思います。
ロックンロールに興味ある方必見ですよ。
ロックンロールの誕生年月日は明確ではない
ロックンロールの起源に迫るといっておきながら、申し訳ない!
ロックンロールはいつどの時点で発生したかは正確にはわかっていないのです。
しかし「これがロックンロールだ!」と世間に認知された曲があります。
それが以下の2曲です。
・The Crew-Cuts(クルー・カッツ) 「Sh-Boom(シュブーン)」
・Bill Haley(ビル・ヘイリー) 「Rock Around the Clock」
「Sh-Boom(シュブーン)」は1954年にリリースされた曲で、「Rock Around the Clock」は1955年にリリースされました。
特に「Rock Around the Clock」は当時の若者には大ウケだったようです。
「この曲。。。お笑い芸人の出川さんがツイストダンスするときにかかってる曲やん!」
実は「Rock Around the Clock」は日本でも認知度の高い音楽で、ロックンロールのまさに代名詞とも言える音楽なのです。
しかしリリースされた途端に人気になったわけではありません。
人気が出たのは「暴力教室」という映画の主題歌として使われたことをきっかけに人気に火がつき、人々に認知されるようになったのです。
「現在のロックってどのようなイメージですか?」
青春の甘酸っぱい恋愛曲だったり、働く人を応援する音楽だったりと、清潔なイメージや真面目なイメージもあるかと思います。
しかしロック誕生の時のイメージは真逆。
ドラッグに酒、女に暴力的、破壊的なイメージがロックのイメージでした。
そのイメージを形作ったのも「Rock Around the Clock」が「暴力教室」の主題歌として使われたからかもしれません。
暴力教室では不良少年の非行を描き出しています。そんな不良のイメージとロックンロールが結びつき、やがて不良のイメージがロックのイメージへとなっていったのでしょう。
ロックンロール誕生による変化
話が少し脱線しますが、ジャズって聴いたことありますか?
ジャズミュージシャンの多くは、自ら作った曲は少なく、元々存在する曲を自由に演奏することが基本的です。
みんなも知っているような音楽をいかに自分らしく個性的に演奏できるかがジャズミュージシャンの腕の見せ所なのです。
実はこの演奏方法はロックンロールが誕生する前の基本的なスタイルでした。
おなじみの曲をミュージシャンらがどのように演奏するかが、その当時の音楽の楽しみ方のひとつでもあったのです。
しかしロックンロールの登場によって、視聴者側に変化が見られるようになりました。
それは「この曲はこのアーティストが歌う!」「この曲はこの人の演奏でないとダメ!」ということです。
ロックンロールのこの曲はこの人じゃないと味気がない、魅力がない、他の人がやっても興奮しない。
つまりアーティストにアイドル性が問われ始めた時代でもあるのです。
アイドル性抜群のロックンローラー登場
「アイドル性。。。この時代のアイドル???そんな人いるのかい!?」
アイドル性が問われ始めたというのは、他でもない「Elvis Presley(エルヴィス・プレスリー)」の登場が大きいです。
ロックンロールを世間に認知させたビル・ヘイリーは5人の子どもを持つお父さん。もうおっさんなのです。
おっさんが「ロックンロール=不良の音楽」を歌って人気は出るのだろうか。。。事実人気はあったのですが、何よりも足りなかったのはアイドル性だったのです。
ビル・ヘイリーは前髪をクルッとカールさせ、いつもニヤケているような容姿でした。
これは個人的な話よ。なんかキモいんです。。。

そんな中エルヴィス・プレスリーは甘いマスクとセクシーで高音のビブラート、そして性的な香りのするクネクネのダンス。
全てがその当時のティーンネイジャーに受け入れられ、爆発的な人気になったのです。
いやー今見てもかっこいい!
テレビに出演しても、ライブに出演しても女性たちは悲鳴をあげ、気絶する人も多くいたと言います。
ロックンロールを世界に発信し、音楽界に大きな衝撃を与えたのは間違いなく、エルヴィス・プレスリーでしょう。
そしてファッションなどにも影響を及ぼすほどのアイドル性。
影響を受けた音楽家は、ジョン・レノンを始め、ボブ・ディラン、フレディー・マーキュリー、ルー・リードなど例をあげたら数えきれないほどいます。
また白人であるエルヴィスが黒人音楽の要素を含んだロックンロール、そしてゴスペルなどを歌ったことを、ジェイムズ・ブラウンは
「彼は白人のアメリカ人に目線を下げるということを教えた」
と語っている。
人種問題が激しい中、エルヴィスの音楽は人種間の架け橋の役目も担っていたのかもしれません。

ロックンロール創世記のアーティスト
エルヴィス・プレスリーは世界的に大きな影響を与えたアーティストの1人ですが、エルヴィスに続くかのようにロックンロールの創世記に活躍したアーティストがたくさんいます。
代表的なのは以下の3人でしょうか。
・Chuck Berry(チャック・ベリー)
・Little Richard(リトル・リチャード)
・Buddy Holy(バディ・ホリー)
ギターヒーローとしても名高いチャック・ベリーは「Johnny B.Goode」や「Maybellene」などのロックンロールに残る名曲を残しています。
ギター好きなら誰しも真似したくなるようなギターフレーズがかっこいい。。。

リトル・リチャードもロックンロールに残る名曲を数々と残しています。
「Tutti Frutti」は彼の代表曲で、ピアノを弾きながらパワフルに歌い上げるスタイルがその当時に大きな影響を与えました。
バディ・ホリーもロックンロールを基礎としてるが、聴いてみるとポップソングなものが多い。
そしてこのポップソングこそ、ロックの変革期に活躍するThe Beatles(ビートルズ)に多大な影響を及ぼすのです。
この当時は新しい最先端の音楽だったことは間違いなさそうです。
バディ・ホリーだけでなくこの当時のロックンロールが、のちに大活躍するビートルズやビーチ・ボーイズ、ローリング・ストーンズらに多大な影響を及ぼしたことはいうまでもありませんね。