History

ロックンロール誕生の3要素!人種差別を超える音楽という希望が輝き始めた瞬間

 

ロック史を語る上で避けて通れない音楽。

それがロックンロールです。

 

ロックンロールから強い影響を受けた音楽にロックがあります。

以前の記事でロックンロールの発祥となった曲を紹介しました。

 

今回はそんなロックンロールが誕生した音楽的要素を紹介します。

 

ロックンロール誕生の要素は以下の3つです。

①黒人音楽として大きく成長していたリズム&ブルース(R&B)

②南部で流行っていた白人音楽のウェスタン&カントリー、ヒルビリー

③大衆向けに人気を博したティン・パン・アリー

これらの3要素がうまく混じり合いロックンロールが生まれたと言われています。

 

①黒人音楽として大きく成長していたリズム&ブルース(R&B)

 

黒人が生んだ音楽のジャンルにブルースというものがあります。

これは黒人がひどい差別に苦しんでいた時、誕生した音楽なのです。

 

黒人たちは自分たちを奴隷として扱う白人への不満を吹き飛ばそうと、ギター片手に決まった歌詞のないセッションが繰り広げられました。

これがブルースの誕生で、ロバート・ジョンソンやチャーリー・パットンなど、その後に影響を及ばしたミュージシャンが誕生しています。

これが発展し、黒人の間ではもちろん、南部の若者の間でも人気が出てきたのです。

 

ブルースは、奴隷の黒人が苦しい生活を笑い飛ばすために出来た音楽です。

これに強いノリとリズムを加えたものが「リズム&ブルース」です。

 

今でこそノリの強いブルースがリズム&ブルースと位置付けられています。

しかし50年代以前は黒人音楽(ビ・バップの除く)の全てをリズム&ブルースと呼んでいたのです。

なんで「黒人の音楽=リズム&ブルース」という適当な枠組みになってしまったのか。

それは黒人に対しての差別が原因にあります。

黒人差別は生活だけでなく音楽にも影響していて、「黒人の音楽=レイス・レコード」と呼んでいました。このレイスとは「人種(race)」という意味。

このレイス・レコードという名前がリズム&ブルースと言い換えられ、アメリカ全土に広まっていったのです。

 

②南部で流行っていた白人音楽のウェスタン&カントリー

 

こちらも南部での人気が高く、黒人の音楽とは違ったカントリー調の音楽です。

黒人差別の強い中、南部の白人は黒人の音楽を聴くわけにも行きません。

また南部の暮らしや文化をうまく歌ったことにより、ウェスタン&カントリーは南部での人気が高まりました。

 

しかしそんな白人の音楽でもウェスタン&カントリーは貧乏くさいと、バカにされていた一面があるのです。

ウェスタンとは元々ヒルビリーとも呼ばれていて、そのヒルビリーという言葉そのものが小馬鹿にした言葉だったのです

しかしリズム&ブルース同様に、親しみやすいメロディーとポップさからアメリカ全土に広まるようになり、ひとつの音楽ジャンルとして確立されたのです。

 

南部の大自然を歌っていたのが、離婚や放浪、飲酒などの歌にシフトしたことが親しみやすさの一要因だったのでしょう。

アメリカ全土でも認知させるようになって行ったのです。

 

③大衆向けに人気を博したティン・パン・アリー

 

ティン・パン・アリーとはミュージシャンや音楽のジャンルの名前ではありませんよ。

まだ音楽を手軽に聞けなかったころの時代は、楽譜を売るためにお店の前でミュージシャンが演奏していたのです。

その楽譜とはポップなものが多く、また単純で簡単なコードが多かったとも言います。

主に売っていた楽譜は、その当時流行ったミュージカルの音楽でした。

 

そしてティン・パン・アリーは、主に作詞作曲する人が輝きを増した時代なのです。

まぁそれもそのはずです。主役は歌を歌うミュージシャンではなく、音楽そのものですから。

 

実はティン・パン・アリーで活躍した作曲家には大御所が多いのです。「Over the Rainbow」を作曲したハロルド・アーレンもティン・パン・アリー出身の作曲家です。

ラプソディー・イン・ブルーなどで有名なジョージ・ガーシュウィンもティン・パン・アリーでピアノを弾きながら、楽譜を売っていた少年だったといいます。

 

この後に歌も演奏も作詞作曲も行う、シンガーソングライターという人が多く出てきます。この影響で盛り上がっていたティン・パン・アリーは衰退しました。

ティン・パン・アリーとはニューヨークのある一部の通りの呼称です。その狭い地域から爆発的に人気になったのです。

ロックンロールにポップの要素をふんだんに加えているバディ・ホリーはこのティン・パン・アリーの影響が大きいかもしれませんね。

 

 

 

ティン・パン・アリーのポップさをベースとして、リズム&ブルースとウェスタン&カントリーのリズムと泥臭い演奏がロックンロールを生んだのです。

ロックンロールには人種を超えたエネルギーが含まれているのです。