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プログレッシブロックバンド:プログレ5大バンドの名盤と特徴

プログレッシブロックが人気を博したのは、70年代前半から中期にかけてと言えます。この短い間にプログレッシブロックを代表する5つのバンドが登場しました。現在では「プログレ5大バンド」とも呼ばれていますね。

  • Pink Floyd(ピンク・フロイド)
  • King Crimson(キング・クリムゾン)
  • Yes(イエス)
  • Genesis(ジェネシス)
  • ELP(エマーソン・レイク・アンド・パーマー)

この記事では、このプログレ5大バンドの特徴と名盤を紹介していきます。プログレを初めて聴くという方は必見ですよ!

Pink Floyd(ピンク・フロイド)

プログレ5大バンドの中でもっとも売れたバンドと言っても過言ではないでしょう。何よりわたしが一番好きなプログレバンドであり、ロックバンドとしても5本の指には入るくらい愛しています。

ピンク・フロイドの特徴と音楽性

プログレッシブロックにどのようなイメージを持っていますか?

  • 1曲が長い
  • 超テクニカルなことをしている
  • 電子音がピコピコー!

そんなイメージでしょう。ピンク・フロイドもまぁそんな感じのイメージですが、他のプログレバンドに比べると、テクニカルではないと言われがちです。聴いてみるとわかりますが、テクニカルに感じる部分はかなり少ないように感じます。

例えばギターの早弾き、これはテクニカルを証明するにあたってわかりやすい技術ですが、ピンク・フロイドには出てきません。そしてこの当時のプログレはどのバンドも変拍子を取り入れることが多かったのですが、変拍子もありません。

実際のところテクニカルな方が売れそうな感じがしますよね。そんなピンク・フロイドの魅力は、テクニックではなく「コンセプト力」です。アルバムごとのコンセプトが、他のプログレバンドとは比べ物になりません。圧倒的なコンセプト力で世界のロックファンを魅了しています。

ピンク・フロイド史上もっとも売れたアルバム「The Dark Side of the Moon」(狂気)では、人間の内面に潜む闇の部分を描いた作品です。聴いていて陰鬱になるような音がたくさん含まれていて、このアルバムはコンセプトアルバムとして最高峰に位置していますよ。マジで大好き。

ピンク・フロイドのテクニシャン

ピンク・フロイドは、テクニカルではなくコンセプトで勝負していると言いましたが、ギター担当であるデヴィット・ギルモアはローリング・ストーン誌の偉大なギタリスト100において、14位を獲得している偉大なギタリストです。

聴いてみると、早弾きなどわかりやすいテクニックを用いていないだけで、コンセプトに合わせた表現豊かなギターを演奏していています。いわゆる泣きのギターと呼ばれる演奏で視聴者を引き込むのです。

ピンク・フロイドの大ヒット曲「Money」では、ギルモアの表現豊かなギターを聴くことができますよ。ギターキッズは必聴!

ピンク・フロイドの名盤

名盤:「The Dark Side of the Moon」

ピンク・フロイドには超大ヒットしたアルバムが3枚あります。1973年にリリースした「The Dark Side of the Moon」は5000万枚の売り上げ、1975年「Wish You Were Here」は2300万枚、1979年「The Wall」は3000万枚売り上げています。ピンク・フロイドの総売り上げ枚数は2億枚以上だとか。

そんな中でも最高のコンセプトアルバムにして、圧倒的な売り上げ枚数を誇る「The Dark Side of the Moon」が名盤です。まさに長編の文学を読んでいるような錯覚を起こすアルバムですよ。

Yes(イエス)

イエスはピンク・フロイドとは違い、テクニカルな楽曲をゴリゴリに押していったバンドです。イエスが最初に売れたのは1971年の「Fragile」というアルバムの「Roundabout」という楽曲になります。

イエスの特徴と音楽性

イエスはとにかくテクニカル。これぞプログレといった雰囲気が感じますね。「Roundabout」では、ものすごい展開の曲で、次々と巧みな仕掛けが音に秘められています。アコースティックな感じで始まりますが、終始ハードな部分があるので、ハードロック好きにはたまらない楽曲です。

プログレというジャンルでは、前衛的でアート性の高い音楽を作ることが求められていたといっても良いでしょう。そして長い曲の中で即興を求められることもプログレの要素の1つです。クラシックの要素もありますが、ジャズの要素も強くあります。ジャズといえば即興演奏が魅力的ですよね。

イエスは即興を重視するというよりは、展開の激しい構成力が魅力です。インストゥルメンタルな曲だけでなく、コーラスなどを伴った曲も数多くあります。このハーモニーや緻密に構成されたが曲がイエスの魅力です。

イエスのテクニシャン

イエスはメンバーのチェンジが激しいバンドです。しかしイエスが有名になった時にメンバーとして活躍していたスティーブ・ハウとリック・ウェイクマンは無視できないテクニシャンでしょう。

代表曲である「Roundabout」では、ギターのハウとキーボードのウェイクマンが爆発します。間違いなく「Roundabout」ではキーボードのサウンドが印象に残るはずです。そしてハウのギターが随所にインパクトを与えてくれます。

基本的にイエスのメンバーはテクニシャンばかりです。どの曲を聴いていても「俺の演奏が一番だ!」と言わんばかりの熱量でぶつかり合います。それが緻密な構成上にあるのが、イエスを聴き入ってしまう要因です。

イエスの名盤

名盤:「Close to the Edge」

イエスを世界のバンドへと押し上げたのは間違いなく「Roundabout」が収録された「Fragile」です。しかしイエスの最高傑作はこのアルバムの後にリリースする「Close to the Edge」でしょう。

プログレを知らなかった私に「これがプログレです」と教えてくれたのは、間違いなくイエスの「Close to the Edge」です。アルバムのコンセプト感とテクニックを駆使した激しくぶつかり合う演奏が、プログレだと認識した瞬間だったのです。

また「Close to the Edge」は1曲しか収録されていません。しかしアルバム全体の長さは38分あります。1曲がとにかく長いのです。しかし1曲の中でいろんな展開がなされます。初めて聴いたときは「長い!」なんて思いませんでした。「この後どんな展開になるの!?」という好奇心くすぐるようなアルバムなのです。

King Crimson(キング・クリムゾン)

プログレッシブロックで初めて頂点を獲得したバンドであるキング・クリムゾン。テクニシャンの集団であり、新たな幕開けを示したプログレ界のキングです。

キング・クリムゾンの特徴と音楽性

キング・クリムゾンは1969年に「キング・クリムゾンの迷宮」というアルバムをリリースします。このアルバムはそれまでの音楽の歴史をひっくり返すような衝撃を与えます。なぜならそれまでになかったプログレという新たなジャンルを確立したからです。

キング・クリムゾンはロバート・フリップ(g)が中心となりバンド活動しています。ロバート・フリップのやりたい音楽を創り上げるために、メンバーは毎回のように入れ替わります。その入れ替わるメンバー全員がテクニシャンで、ロバート・フリップの音楽を一緒に創り上げたいという人ばかりなのです。最近ではドラムが3人いますよwww さすがにビビるわ。

キング・クリムゾンのテクニシャン

キング・クリムゾンは基本的にロバート・フリップが中心となっています。毎回入れ替わるメンバーは全員ロバート・フリップが満足いくようなテクニックの持ち主になります。

そんなロバート・フリップはどうなのかというと、ロバート・フリップ自身はあまりギターソロを弾かずに、裏方でバッキングをしているプレイスタイルが目立ちます。しかしこのプレイスタイルを評価する人も多いです。ギターのテクニックというより、作曲能力やリーダーとしての資質が評価される部分でもあります。

ちなみにウィンドウズ ビスタの起動音を作ったのはロバート・フリップです。

キング・クリムゾンの名盤

名盤:「キング・クリムゾンの迷宮」

キング・クリムゾンの名盤は間違いなく「キング・クリムゾンの迷宮」でしょう。キング・クリムゾンが新たな時代を作った歴史的なアルバムですし、メンバー同士がぶつかり合うような激しい音楽を聴くことができます。

収録されている「21st Century Schizoid Man」は名曲中の名曲です。ロックとジャズを混ぜ合わせた音楽で、強烈なリフと変拍子が特徴的です。これが1969年の音楽と考えるとなんだかすごいですよ。

Genesis(ジェネシス)

フィル・コリンズを中心に70年代から活躍したバンド。プログレの要素の中にクラシックサウンドを取り入れたシンフォニックなサウンドが特徴。

ジェネシスの特徴と音楽性

ジェネシスは1969年にデビューしますが、プログレロックとして人気を獲得したのが、1971年のアルバム「Nursery Cryme」でした。その翌年の「Foxtrot」、1973年の「Selling England By the Pound」はプログレファンの間でも人気が高いです。

ジェネシスの音楽はとにかく壮大。印象的なフレーズがただただ並べられたようなロックサウンドではなく、クラシックから影響を受けているシンフォニックサウンドが特徴です。そしてシンフォニックな中にも重厚感あふれるハードなロックが響きます。聴いている人の心臓まで動かしそうな圧倒的な壮大感は他のプログレバンドにはないでしょう。

またアート性を非常に高く感じます。カリスマ的な人気を誇ったピーター・ガブリエルとフィル・コリンズが在籍していた1971年から1975年の間は、特に聴きごたえがありますよ。

しかしプログレをしていたのは70年代ごろまでで、80年代にはポップ路線に進みます。ジェネシスのポップ時代を代表する楽曲「Invisible Touch」は、音楽に興味ない人でも聴いたことがあるかもしれません。そのくらい有名な楽曲ですよ。

ジェネシスのテクニシャン

ジェネシスで活躍したフィル・コリンズはドラマーとしてのテクニックが素晴らしいです。フィル・コリンズはボーカルとしても活躍していますが、ドラムとしての評価も非常に高いです。

激しく見せるところはとことん激しく、そして静かなところは静かに流れるようなドラミングを見せてくれます。また手数がかなり多いドラマーとしても有名です。

フィル・コリンズはディズニー映画「ターザン」の音楽を作ったことでも有名です。歌やドラムだけでなくソングライティングまでできる多彩な才能を持っています。

ジェネシスの名盤

名盤:「Selling England By the Pound」

名盤「Selling England By the Pound」は、ジェネシスがもっとも知名度を獲得したアルバムでしょう。特にシングルにもなっている「I Know What I Like」はイギリス臭さを感じる人気曲です。

ピーター・ガブリエルのアカペラから幕をあげる当作品は、ラストの曲まで急流に乗るような速度で流れていきます。シンフォニックなサウンドが他のプログレバンドとは違う世界観を感じるでしょう。

またファンタジーな世界観に少しだけ訪れる陰鬱な雰囲気も聴きどころです。まさに唯一無二の作品と言っても良い作品です。

ELP(エマーソン・レイク・アンド・パーマー)

バンド名の通り、キース・エマーソン(key)、グレッグ・レイク(b/vo)、カール・パーマー(d)の3人で結成されました。

エマーソン・レイク・アンド・パーマーの特徴と音楽性

通称「ELP」という略称で呼ばれることもあるエマーソン・レイク・アンド・パーマー。デビュー当時はスーパーグループとも呼ばれていました。その理由は3人それぞれが以前のバンドで、名声を獲得していたからです。

スーパーグループにふさわしい超絶テクニックはもちろんなのですが、エマーソン・レイク・アンド・パーマーの特徴の1つに、シンセサイザーをロックバンドにいち早く取り入れたバンドとしても有名なのです。シンセサイザーとオルガンを用いることで独自の世界観を表現しています。

変拍子や激しくぶつかりあう演奏、そしてアート性に飛んでいて、特にクラシックの音楽をうまく取り入れている部分が伺えます。3枚目のアルバムでは、ムソルグスキー作曲の「展覧会の絵」をアレンジしていますよ。このアルバム個人的に一番好きです。

エマーソン・レイク・アンド・パーマーのテクニシャン

エマーソン・レイク・アンド・パーマーのテクニシャンはみんなというべきでしょうし、テクニックより音楽のアレンジや独自のアート性を評価したいところです。

しかしロックにシンセサイザーを取り入れたキース・エマーソンをテクニシャンの1人としてあげたいです。シンセサイザーの可能性を提示しただけでなく、アルバムの中でもシンセサイザーがとことん使われ、活躍が目覚ましいのです。

またエマーソンは、時折見せる激しく荒れた演奏やパフォーマンスにより「オルガンのジミ・ヘンドリックス」とも呼ばれています。そんなシンセサイザーとオルガンのイメージが強いエマーソンですが、もっとも思い入れのある楽器はピアノです。ライブでも演奏されることがあり、特にジャズからの影響を強く感じます。

エマーソン・レイク・アンド・パーマーの名盤

名盤:「TARKUS」

エマーソン・レイク・アンド・パーマーの名盤は「TARKUS」でしょう。このアルバムの冒頭曲である「TARKUS」は1曲20分と長い曲であり、壮大な組曲を聴くことができます。特にシンセサイザーやオルガンの音が激しいです。

ロックにここまでシンセサイザーのイメージを埋め込んだ有名な曲です。大河ドラマ「平清盛」では「TARKUS」のオーケストラ版が劇中歌として使われました。

また「TARKUS」はプログレの色が濃いアルバムですが、ラストの曲「Are You Ready Eddy?」はピアノが響くゴリゴリのロックンロールです。この曲を最後に持ってくるのが粋ですし、アルバム全体が締まってかっこいいです。