「ジャズって難しそうな音楽だけど、誕生した時のジャズってどんな感じだったのだろう」
ジャズっておしゃれですよね。バーやカフェでかかっていて大人な音楽って感じがします。私もジャズが大好きなのですが、最初にジャズを聴いた時は抵抗がありました。
しかし好きなジャズミュージシャンを見つけてからは、どんどんジャズを掘り下げていって最終的には、「ジャズってどのように生まれた音楽」なのか知りたくなりました。
今回は、そんなジャズとはどんな音楽なのかを紹介していきます。まだジャズを聴き始めたばかりの人やジャズの始まりを知りたい人には参考になると嬉しいです。
ジャズが誕生した街ニューオリンズ
あなたはビートルズの音楽って古いと思いますか?ビートルズが活動していた期間は1962〜69年の7年間なのですが、1960年代って50年も前だし古く感じる方が多いと思います。
しかしジャズが生まれたのはもっともっと古いです。ジャズが生まれた正確な年はわかっていませんが、1900〜1905年ごろにはジャズの基礎となる部分が完成されたと言います。現在から100年以上も前なのです。ビートルズよりも50年以上も前のことなのですね。
そんなジャズが誕生した街がアメリカのルイジアナ州、ニューオリンズだったのです。ニューオリンズはアメリカの南部の街で、アフリカ系の黒人も多かったといいます。南北戦争が終わり黒人の奴隷制度が解放されたのですが、黒人は仕事を探さなければならない状態でした。

ニューオリンズは南部きっての歓楽街として栄えていたこともあり、黒人たちはその歓楽街で演奏をしてお金を稼いでいたことがジャズの誕生へと繋がっていきます。ニューオリンズでは兵士による楽団があり、楽器も手に入れやすかったことがニューオリンズで音楽が栄えた要因の一つでしょう。
ニューオリンズの楽団による音楽は、ニューオリンズ・ブラスバンドと言われ、バスドラムやスネアなどの打楽器やサックス、トロンボーンなどの管楽器から構成されていました。
「この楽器の組み合わせって、ジャズじゃない??」
実はこのニューオリンズ・ブラスバンドで使われていた楽器が黒人たちが扱う楽器となり、ジャズへと発展していくのです。

ジャズを構成した3要素
ジャズの生まれた街ニューオリンズでは、南北戦争などの背景があり、ジャズへの架け橋へとなっていくことがわかりましたね。しかしまだ黒人が楽器を持った段階で、ジャズにはなっていません。
ここからはどのようにジャズという音楽ができたのか、ジャズを構成する音楽要素を見ていきましょう。
要素①:楽器はブラスバンドから拝借
上記にも述べましたが、ジャズが誕生した初期のバンドはバスドラムやスネアなどの打楽器とサックスやトロンボーンなどのホーン系などから成り立っていました。それは黒人が安く手に入れやすかったからです。
この時はまだドラムセットというものが存在していませんでした。実はドラムが誕生したのもこのニューオリンズ・ブラスバンドのとある奏者の発案だったです。ニューオリンズからは現代に繋がるような音楽がたくさん生まれているのですよ。
要素②:自由奔放なブルース
ジャズを構成する大きな要素の一つがブルースです。ブルースとは奴隷として扱われていた黒人たちが日々のストレスを吹き飛ばすために作られた音楽だったといいます。
奴隷たちの音楽なので、楽譜とかはなく、決められた伴奏を繰り返す手法が特徴的です。決められたことを繰り返すので、誰でも簡単にセッションできてしまい、歌詞なども思いつきが多かったといいます。
セッションでは順番にソロの時間があったりと自由奔放なスタイルだったのです。この自由に演奏する手法がジャズには取り込まれました。ジャズではソロパートでいかに個性的に魅力な演奏ができるのかが重要です。このジャズ特有の見せる時間はブルースからきているのですよ。
要素③:リズミカルな跳ねる音が特徴的ラグタイム
ブラスバンドとかブルースはなんとなく聞いたことあるし、イメージもわきやすいかもしれませんが、ラグタイムってほとんど知られていないと思います。私もラグタイムって最初は聞いたことありませんでした。
しかしディズニー好きなら、ラグタイムを聴いたことある人もいるかもしれません。なんだかディズニーランドとか行くとラグタイムっぽいのが流れているイメージなんですよね。
おそらく聴いたことありますよね?このズンチャズンチャのリズミカルな感じがラグタイムの特徴なのです。
ラグタイムにはシンコペーションという手法が使われています。 シンコペーションとは強い拍と弱い拍の位置を通常と変えることで、リズムに独特な効果を与えることをいいます。ジャズにはこのラグタイムのようなリズムの変化がよく登場します。
ジャズの面白さはソロの技術だけでなく、リズムからも感じることができるのですよ。
ジャズの創始者
ジャズを作った男という表現は間違っているかもしれませんが、ジャズという言葉がまだなかった時代にジャズの原型を作ったとして知られている人物がいるのです。それがバディ・ボールデンというクラリネット奏者でした。
バディ・ボールデンはサックスやトロンボーンなどのホーン系にギターやドラムスなどを加えたバンドを結成し、ニューオリンズで活動していました。ニューオリンズ・ブラスバンドの形態に、自由に演奏するブルースの要素とラグタイムの要素を取り入れたのです。
このようなホーン主体のバンドにブルースの要素を加えたのはバディ・ボールデンが初めてだといいます。彼はとにかく自由な発想ができる人物で、様々な音楽の形態にも挑戦し、予想のつかない音楽をしていたそうです。
現在ではバディ・ボールデンを「ジャズの父」と読んでいる人もいるようですが、彼が活動していたのが1907年までということで、音源が存在しないのです。もはや伝説的な感じになっていますね。
彼は1931年まで生きましたが、1907年以降は精神病院で残りの生涯を過ごしました。1907年以降は楽器を演奏することもできないほどに病んでしまったようです。
以下の誰かがバディ・ボールデンです。。。

ジャズは大人なイメージの音楽ですが、ジャズが生まれたばかりのバンドは公園などでも演奏するような大衆向けの音楽だったのです。
「なんだかおしゃれで落ち着く」というジャズ以外にも、踊れるようなノリの良いジャズもあるのですよ。近々ジャズのオススメ曲なんかも紹介しようと思います。